小さな家
土壁はね、チョッともたれるだけで背中にキラキラがついてね。小さい平屋のその家は、向こうの山から欅の葉っぱのにおいを巻き込んだ風がスッと落ちてくる、それはそれは心地いい家だったんだ。水色の水玉模様のカーテンがふわふわ揺れてね。それを寝転んで見ているうちに、いつの間にか眠っちゃって。
目が覚めるとお姉ちゃんが「ふうちゃん 寝とったな」って笑ってて。
今になってわかる事・・・
お姉ちゃんはずっとそこにいたんだよね。そして私のこと見てくれてたんだよね。あなたには与えられなかった『自由』を目いっぱい楽しむ妹を羨ましくも愛おしく・・・
お姉ちゃんが死んだから
小さい平屋のその家のことを
話せる人がいなくなって
すっごくさみしいけど、
なんだか元気に生きていける
そう、なんだか笑って生きていける。
もうすぐ初盆 また逢えるかな。