小学校の想い出
小学校の図書館。並んでいる本の中で吸い寄せられるように目にとまった一冊の本があって。
思わず手にとって見ていると、後ろから「あー、ふじ美はノンが好きなんか~」と聞こえてきた。
馬鹿を言え、そんなわけないやろ!とふくれっ面をして急いで本棚に戻した。
同級生にノンと呼ばれている男の子がいて、別の男子がからかってきた一瞬の出来事。水色のかわいい表紙のそれ。『ノンちゃん雲に乗る』という本を手にしたのはその時だけ。一クラス男子3人、女子3人の田舎の小学校。鮮明に思い出せる私の大好きな場所。階段を上がって右に理科室、その右に視聴覚室、その奥の突き当りが図書室。階段を上がったすぐ左は小さな売店。購買係も楽しかったな。窓越しの風に山の匂いを感じる廊下は木張りの濃い茶色。その廊下の一番奥が6年生の教室で。
冬休み中なのに雪が積もると、子どもが集合して大きなかまくらを作った記憶。校庭をスケートリンクみたいにカチカチに固めて、思いっきりズッコケて顔面ずりむけた痛い思い出。
たぶんそこには、子どもを信じて見守ってくれる先生がいて、安心できるところだったに違いなく、思い出すことはみんなあったかい色彩に包まれている。
小学校ってそうであってほしい。ちょっとしんどかったことも、きれいな色のまま思い出せるようなそんなところであってほしいな。
48年越しに再会した本。水色のかわいい表紙はそのままで。。。
『ノンちゃん雲に乗る』を今は誰にも邪魔されずに読んでいる。


